大型動的コーン貫入試験 大型動的コーン貫入試験(H-DCPT)とは 大型動的コーン貫入試験とは、ボーリング試験と同様の機構を持ったN値30以上の硬質地盤を調査可能な地盤調査試験機です。具体的な標準貫入試験との差異は次のとおりです。 標準貫入試験 大型動的コーン貫入試験 1.試験機構 ハンマー打撃測定+掘進 ハンマー打撃、連続測定 2.ハンマー重量 63.5㎏f 63.5㎏f 3.ハンマー落下高さ 76㎝±1㎝ 50㎝±1㎝ 4.1測定当り貫入量 30cm 20cm 5.測定頻度 1回 / 50cmまたは100cm 5回 / 100cm (20cm毎連続) 6.地盤とロッドの摩擦処理 ケーシング、泥水 20cm測定毎にトルク測定 7.先端形状 外径51mmの円筒形(中空) φ45mmの円錐形(中実) 1.試験機構 標準貫入試験 ハンマー打撃測定+掘進 大型動的コーン貫入試験 ハンマー打撃、連続測定 2.ハンマー重量 標準貫入試験 63.5㎏f 大型動的コーン貫入試験 63.5㎏f 3.ハンマー落下高さ 標準貫入試験 76㎝±1㎝ 大型動的コーン貫入試験 50㎝±1㎝ 4.1測定当り貫入量 標準貫入試験 30cm 大型動的コーン貫入試験 20cm 5.測定頻度 標準貫入試験 1回 / 50cmまたは100cm 大型動的コーン貫入試験 5回 / 100cm (20cm毎連続) 6.地盤とロッドの摩擦処理 標準貫入試験 ケーシング、泥水 大型動的コーン貫入試験 20cm測定毎にトルク測定 7.先端形状 標準貫入試験 外径51mmの円筒形(中空) 大型動的コーン貫入試験 φ45mmの円錐形(中実) まとめ:大型動的コーン貫入試験のハンマー重量は同じ、落下高さは76㎝⇒50㎝で打撃エネルギ―はやや小さい、しかし、1測定深度が30㎝⇒20㎝のため、砂質土ではN値≒Nd値となる。強みは、以下のとおりです。 ①抜群の機動性 15°程度の登坂。多少の不整地であれば移動可能。 ②抜群の調査速度 20m~50mの日進速度(当社平均33m/日)。撤去⇒移動⇒据え付けの時間が短いため、多量の本数があっても短期間で調査可能です。 ③基準に裏付けられた信頼性 JGS, ISO, JISのすべてに制定されています。 弱点および対策は、以下のとおりです。 ノーマルコーンは引上げの際に抜けてしまうため、空洞調査や水上からの調査ができない。 対策:水平回転するが、鉛直方向には抜けない回収型先端コーンを開発し、問題解決していま す。当コーンは、コーンと地盤の摩擦音による簡易な土質判定も可能です。 ノーマルコーン 回収型コーン 試料採取できない ノーマルな大型動的コーン貫入試験は、試料採取できない。 対策:以下の如く、大型から小型までの各種サンプラーを開発し、問題解決しています。 小型サンプラー ノーマルコーンと同寸同形状のため、通常試験と同時に到達深度の土質試料を採取できます。 中型サンプラー φ48㎜,長さL=450㎜の中型サンプラーです。Nd値測定とは別孔で試料採取します。200cc程度の土質試料採取ができるので、粒度試験などの室内試験が可能です 大型サンプラー 標準貫入試験と同寸同形状のサンプラーです。 標準貫入試験のレイモンドサンプラーとの違いは、先端が閉じていることです。 目標深度に到達してから、先端を開口して打撃貫入し、試料を取り込みます。 採取できる試料は、標準貫入試験のものと全く同様です。 砂質地盤でもN値50が限界、貫入できない! 下表は、泥岩上に風化土砂が賦存する地盤の調査結果です。Nd値50以下の風化土砂部分は貫入していますが、Nd値50を超える岩盤部分で貫入不能になっています。 ※打ち止め基準:100打撃/20㎝以内または、50打撃以上/20㎝を5回連続で終了してよい。 (新規制定地盤工学会基準・同解説 動的コーン貫入試験方法JGS1437-2014) 粘土地盤は、N値の2.5~3.0倍のNd値になる。しかも摩擦が大きいと貫入しない。 原因:打撃エネルギーが先端に伝わる率が少ない。 玉石に当たったらロッドが曲がる。 玉石、転石等の地下障害に当たるとロッドが曲がって測定不能になります。 山林や極小地、急坂での運搬や試験は困難。 重量が1.7t、幅1.2m、長さ2.5mです。高さも計測中は4.0mまで伸びます。 登坂能力は15°程度。 試験機がない。 実は、試験機がない。全国で70台程度。しかも基準に適合しているのは、その内30台程度。北海道、東北、北陸、中部、九州はゼロ。(最新情報はメーカー様へ) 理由は、高額なイニシャチブコスト&ランニングコストそして、知名度の低さです。コストについては、出来るだけ多くの業務を遂行することで、生産性の向上に向け鋭意努力しています。 当社保有台数:JIS A1230適合型4台(定期検査済)